バックアップの話


 パソコンの故障で、ファイルを喪失して困った、という話をよく聞く。そこで、「バックアップ」について、簡単にまとめておく。

 (1) 心構え
 パソコンの故障は必ず起こる。運が悪いと起こるのではない。必ず起こるのだ。換言すれば、永遠に故障しないパソコンなど、ありえない。必ずいつかは、故障する。問題は、その時期がいつか、ということだけだ。
 一般的には、その時期は、確率曲線で分布する。多くの人は、平均的な値(3〜6年)で故障に出会うが、1年ぐらいで故障に出会う人も、数パーセントはいるはずだ。その運の悪い人に自分が該当するかどうかは、あくまで確率の問題であるにすぎない。
 要するに、地雷原を歩くようなものだ。運が良ければ助かるが、運が悪ければ助からない。だったら、運が悪かったときのための対処を取るにしくはない。
 特に、ノートパソコンの場合は、注意が必要だ。ノートパソコンは、HDDが振動に弱いので、壊れる危険性が非常に高い。買った翌日に、落として壊れることさえある。ノートパソコンの場合には、多大な留意が必要だ。

 (2) バックアップ機器
 バックアップの機器は、二通りある。
 一つは、長期のバックアップ。月にいっぺんぐらい、 CD-R に書き込んで、別の場所に保管しておく。超重要なデータは、必ずこの方法でもバックアップすること。できれば、たくさんの CD-R に書き込んで、あちこちに保管するとよい。
 もう一つは、毎日のバックアップ。通常、HDDに自動で書き込む。(自動バックアップ。)……この場合、HDDは、内部組み込みまたは外部増設となる。上級者ならば、内部組み込み。初級者ならば、外部増設。(外部増設の場合、USB2.0 を使うことが必須。)
( ※ ノートパソコンの場合、USBメモリやデジカメ用のメモリーカードに文書データをバックアップするのも一案だ。これらは、HDDほど壊れやすくない。分量が小さいのが泣きどころだが。)
( ※ インターネット上にあるファイル保管サービスを利用するのも一案だ。)
 
 (3) バックアップソフト
 これが一番の問題だ。特に、WindowsXP では、Windows98 とは違って、自動バックアップができないことがある。何らかの対処が必要となるだろう。
 この点、話は面倒なので、あとで[補説]として述べる。

 (4) ファイルの保管場所(HDDの指定)
 どのバックアップを使うにしても、現実には、そのバックアップファイルを使うハメになることは、まず、ないだろう。なぜか? 次の設定を取るからだ。
  ・ 作成したファイルを、もともと第2HDDに保管しておく。
  ・ そのバックアップを、第1HDDに保管しておく。
 このやり形ならば、通常、壊れるのは第1HDDである。だから、壊れるのは、バックアップ・ファイルの方であって、元の文書ファイルではない。
 パソコンが壊れたら、第1HDDのデータは全部捨てて、第2HDDのデータを新しいパソコンのHDDに組み込む。(あるいは、第2HDDをそのまま新しいパソコンに組み込む。)
 たとえば、ノートパソコンならば、携帯版の(カードサイズの)外部接続HDDを、元のデータフォルダとしておいて、それのバックアップとなるファイルを本体に入れておけばよい。パソコンを使っていて壊れるとしても、本体が壊れるだけであり、外部接続したHDDが壊れるわけではない。
 たとえば、外部接続のHDDを、大きな衝撃緩衝材で梱包して、鞄の内部に入れておけば、パソコンや鞄を万一落としても、壊れる恐れはほとんどない。……ただし、USBケーブルが常に出ているので、ちょっとカッコ悪いが。
( ※ なお、同じHDDで別の場所にコピーするのは、あまり意味がない。それではバックアップしたことにはならない。原則として、2台のHDDを使うべきである。同じHDDで別の場所にコピーするので有益なのは、自分がミスをしてファイルを消去してしまった場合への対策だけだ。HDDないしパソコンの損壊には、対処できない。一方、2台のHDDがあれば、どちらの意味でもバックアップされたことになる。……2台のHDDなんて面倒くさい、と思う人もいるかもしれないが、外部増設ならば、ごく簡単だ。また、外部増設のHDDは、パソコンを買い換えても、そのまま使えるから、コストはあまり高くならない。なお、外部増設のHDDを買う場合には、電源について留意しよう。自動的にオン・オフがなされるタイプか、バスパワー[電源不要]か、どちらかにするべきだ。詳しい説明を知りたければ、パソコン販売店で。)
( ※ ノートパソコンの場合、HDDを2台使うと、電池の持ちが悪くなりそうだ。その点が心配ならば、外出時に限り、USBメモリかメモリーカードにバックアップするといいだろう。記憶容量は小さいが、やむを得ない。)
( ※ 「ノートパソコン自体をバックアップに使って、デスクトップパソコンをメインにする」という方法もある。これだと、二台のHDDのかわりに、二台のパソコンを使うわけだ。データのシンクロに苦労しそうだが、案外、いいかもしれない。ノートパソコンを本体にして、デスクトップパソコンをバックアップにする、という手もある。……いずれの場合も、LAN接続。……だけど、考えていくうちに、この方法は面倒くさすぎる、という気がしてきた。私みたいなものぐさには向いていない。データのシンクロなんて、やりたくない。Windows のブリーフケースなんか使いたくない。やはり、外部増設のHDDの方がずっと気楽だ。)
( ※ 外部増設のHDDは、カードタイプだと小さすぎて、紛失しやすいので注意。緩衝材つきのケースを自作するといいだろう。といっても、ごく小さな鞄にスポンジのクッションを入れるだけで出来上がり。鞄なら、紛失することはない。……私みたいに物をなくしやすい人向けの話。)
 【 追記 】
 別案もある。メモリーカードを本体ファイルにして、バックアップをHDDに入れる。この方法は、本体ファイルの容量が限られるから、「超整理法」みたいな時系列による整理を、方法としていくらか併用するといいだろう。

 [ 付記 ]
 結論と補足を言えば、こうだ。



 [ 補説 ]
 バックアップソフトについて。

 日常のバックアップソフトは、どれを選ぶべきか? あちこちにフリーソフトがあるが、一長一短だ。そこで、フリーソフトについて、以下の評価をしておこう。(WindowsXP 環境を前提とする。Windows98 環境では、どれを使おうと大差はないから、読んでも無駄。)
 第1に、FATとNTFSの混在に対処していないものがある。これだと、タイムスタンプの問題から、同じファイルを何度もコピーすることになり、バックアップの時間が非常に長くなる。不適。
 第2に、WindowsXP ではタスクスケジューラが使えない環境がある。それは、ログオンでパスワードを空白にした人の場合だ。
 この二つの問題がない環境であれば、どのソフトを使おうと、大差はない。ただし、この二つの問題がある環境では、うまく制限を逃れるソフトを使う必要がある。
 第1の問題が起こる環境では、この問題を回避できるソフトを選べばよい。
 第2の問題が起こる環境では、タスクスケジューラが使えない。となると、次の方法を取るしかない。
  「スタートアップで起動 → 常駐 → 指定時刻に実行 → 自動終了」
 これができるには、指定時刻に実行するための「スケジュール機能」がソフトに備わっていることが必要だ。しかし、スケジュール機能をもつソフトは、きわめて少ない。私の調べたところでは、たいていのソフトが駄目だったが、次の三つのソフトは大丈夫だ。
    EasyBackup98 Lite ( http://www.vector.co.jp/authors/VA013723/
 このソフトは、スケジュール機能がある。フォルダ指定の機能は貧弱だが、その分、軽量であり、常駐には問題が少ない。第1の点でも、特に問題はない。操作性もかなりよい。どれがいいか迷ったら、とりあえずこのソフトを使えばいいだろう。(不満に感じたら、以下の二つのソフトにすればよい。)
    copix ( http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se250997.html
 これも、スケジュール機能はある。ただし、サイズはやや大きい。わりと操作性がよく、かなりお勧め。
    BunBackUp ( http://homepage3.nifty.com/nagatsuki/bunbackup/bunbackup.htm
 これも、スケジュール機能はある。ただし、サイズはやや大きい。このソフトの特徴は、高速バックアップだ。インデックスファイルを作成することで、高速に処理する。数千個以上の大量のファイルがバックアップ対象である人向き。設定方法が少し煩わしいので、万人向けではない。レジストリ使用を使うのも、ちょっと難。
 なお、これら三つのソフトの場合、次のような使用法をすればよい。
 「起動して1時間後ぐらいに、自動バックアップを取る。そのあとで自動終了する」
 こうすれば、1時間後にバックアップしたあとでは、常駐しなくなる。

 ついでに、他のソフトを個別に評価しておこう。先の二つのソフトと違って、以下のソフトは、いずれも常駐してのスケジュール機能はない(はずだ)。
    DirSync ( http://fsw.kiya.org/
 これは、スケジュール機能はないが、自動終了はできる。
    DiskMirroringTool ( http://www5.wisnet.ne.jp/~mercury/
 これは、スケジュール機能はないが、ユーザの評判がいい。シンプルであるせいだろう。
    みやばっく ( http://www.bea.hi-ho.ne.jp/marbo/favorite.html#miyaback
 これは、機能が多彩だが、ソフトが重すぎるので、常駐には適さない。VBランタイムが必要で、ちょっと面倒。
    RealSync ( http://www.takenet.or.jp/~ryuuji/
 これも、スケジューラ機能はない。また、FATの問題は、回避されているらしいが、なぜか私のパソコンでは正しく設定されても回避されなかった。結局、これは、Windows98 環境ならば問題ないが、WindowsXP 環境ではうまく使えないこともある。(なお、自動ログイン機能があるが、これはネットワークへの自動ログインであって、タスクスケジューラがログインすることではない。)

    Copyman ( http://hp.vector.co.jp/authors/VA011700/soft/cpymnwww.htm
 これは、オマケで紹介する。これは、以上のバックアップソフトとはまったく毛色が違う。フォルダ内のファイルをまとめてバックアップするのではなくて、必要なファイルを一つ一つ個別に指定してバックアップする。たとえば ini ファイルや画像ファイルの世代バックアップ。バックアップというよりは、ファイルコピーのような機能だ。作者は、私(ほか一名)です。手前ミソ。  (^^);

( ※ 余談だが、MS-DOS のコマンドで実施する、という方法もある。これだって構わない。バッチファイルで実行できる。以上のバックアップソフトは、MS-DOS のコマンドに対話画面をつけただけ、と言えるかも。)

 [ 補足1 ]
 パソコンの故障のほか、ウィルスの感染という問題もある。このせいで、パソコン全体を初期化するハメになることも、けっこうある。この場合、初期化してから再設定するのは面倒なので、「システム全体をバックアップしておけばよかった」と嘆くことになる。
 このためのバックアップは、上記のファイルバックアップとは別に、システムのバックアップが必要となる。通常、何らかのソフトを使う。内蔵HDDに付属のソフト(HDDの丸ごとコピー)を使うのが、ベターだろう。それ以外の方法は、できなくもないが、紹介するほどのことはないので、ここには書かない。

 なお、雑誌に紹介されているのは、専用のソフトを1万円程度の金を出して購入すること。これよりは、内蔵HDDと付属ソフトをいっしょに買う方がお得。
 買ってなかったら? リカバリーCDを使って(またはHDDフォーマットとWindowsXP 再インストールで)、ゼロから再構築するしかないですね。
( ※ ウィルスの感染は、どう防ぐか? よそから侵入してくるタイプは、ファイアーウォールで防げる。しかし、ホームページに組み込まれたタイプは、ブラウザ経由で正面から堂々と侵入してくる。MS-IE のセキュリティ・ホールが原因だ。これを防ぐには、MS-IE を使わないこと。特に、MS-IE で大手会社のサイトを訪れないこと。個人サイトは、比較的安全だ。ウィルス作製者は、小さな個人サイトのページにいちいちウィルスを組み込んだりしない。逆に言えば、MS-IE で大手の会社のサイトを訪れるのは、けっこうやばい。)
 【 後日記 】 まとめ     《 重要 》
 「パソコンのシステム(Windows)のバックアップをするには?」
 という質問には、上記のように答えられる。つまり、
 「バッファローや IOデータ などの HDDを購入して、それに付属するバックアップソフトを利用すること」
 である。これがベスト。私もこれをやっている。9000円ぐらいのHDDを購入して、それについているソフトを使うわけだ。これで問題はすべて解決する。また、これ以外は、お勧めしない。
 ま、お金を無駄遣いしたい人は、1万数千円の専用ソフトを購入してもいいが、それは金をドブに捨てるようなものだろう。また、フリーソフトなどで無償で済ませようというのは、お金を節約するにはいいが、労力その他が莫大にかかる割には、成果は乏しい。だったら、何もしない方がいい。WindowsXP は、システムが壊れることはごく少ないから、「壊れたら買い換える」というぐらいのつもりでいて、日常的には何もしない方がマシだ。(無駄な努力をするよりは。)
 とにかく、大切なのは、自分の作成したデータのバックアップである。システムのバックアップは、二の次だ。システムのバックアップなんてことは、特に必要ない。万一の場合も、金で解決がつくことだ。(新しいパソコンを買えばいいだけだ。)
 Windows98 のころは、システムがしょっちゅう壊れたが、システムのバックアップも容易だった。一方、WindowsXP は、システムが壊れにくいが、システムのバックアップが大変だ。……両者は特性に違いがあるので、対処を別にすればいい。
 一般に言えば、WindowsXP は、システムが壊れるよりも、マシンが先に壊れる。マシンの寿命は4年〜5年ぐらいだが、システムはその間にいっぺんも壊れないのが普通だろう。(WindowsXPを再インストールするハメになることはめったにない。Windows98の時代とはまったく違う。)

( ※ なぜか? システムがおかしくなることは、ときどきあるが、その場合、『システムの復元」で、容易に元に戻せるからだ。……だから、一番肝心なのは、HDDの容量を増やしておくことだ。これが最大の対処となる。HDDの容量がなければ? だから、HDDを買いなさいってば。最初からそう言っているでしょう?)
( ※ HDDの交換については、次のページに情報がある。
   → Open ブログ 「HDD の交換」
 [ 補足2 ]
 実を言うと、システム全体を初期化しなくても、別の方法もある。それは「システムファイルだけの初期化」だ。
 これは、ウィルス対策というよりは、パソコンのシステムファイルが破損して挙動がおかしくなったときのため。そのための方法は、下記のこと。(WindowsXPのみ。)
 「MSバックアップを使って、SystemState という項目をバックアップする」
 これにより、Windowsのシステムフォルダと、レジストリが、バックアップされる。最小限の基本部分は、これでバックアップされる。やっておくことをお勧めする。
( ※ ただし、Windows の再インストールでも、何とかなる。アップデートの分は直らないが。)
( ※ SystemState という項目をバックアップすると 500MBにもなる。頻繁にバックアップするわけには行かない。レジストリだけをバックアップするとよい。それには、レジストリエディタでレジストリ全体を「エクスポート」すればよい。回復は、レジストリの「インポート」で。ただし、通常モードだと使用中のレジストリは回復しないので、セーフモードでパソコンを起動すること。なお、レジストリファイルは、圧縮しておくとよい。サイズが激減する。また、そのままだと、いじると危険だが、圧縮すると、いじりにいので安全になる。……なお、レジストリエディタについては、ヘルプ参照。具体的には、regedit.exe へのショートカットを作って、どこかにおいておけばよい。)

 [ 補足3 ]
 「回復コンソール」という機能もある。これは WindowsXP を再インストールする機能だ。詳細は、ヘルプで「回復インストール」を見てから、i386 フォルダにある winnt32.hlp を参照のこと。
 この機能を使うには、いったん「回復コンソール」をインストールする必要がある。ただし、お勧めしない。というのは、これをインストールすると、WindowsXP そのものの状態が変化してしまうからだ。すなわち、WindowsXP の起動時に、回復コンソールを実施するか否かを問う画面が出て、起動が30秒も遅くなるのだ。不便。インストールしたあとで、アンインストールするハメになる。しかも、アンインストールは、ちょっと面倒だ。(初心者には危険。)
 というわけで、パソコンが壊れやすい状況にあるのでない限り、これはインストールしない方がいいだろう。少なくとも、個人環境では。(会社のマシンなどはともかく。)

 なお、WindowsXP の動作が不安定になった場合には、回復コンソールをインストールして実行すればよい。その場合、WindowsXP を再インストールすることになる。そのときまでは、この機能は忘れていていいだろう。
( ※ 再インストールは、初期化とは異なる。初期化すると、個人設定やハードウェア設定までも情報が消失する。回復コンソールでは、そういう情報まで消失することはないだろう。)
( ※ 回復コンソールをインストールするときは、事前に、 Cドライブのルートにある BOOT.INI をバックアップしておくとよい。)
 【 追記 】
 Windows 付属のソフトを使っても、パソコン全体のバックアップが可能であるようだ。
  (1) Windows付属の「バックアップ」を使う。
  (2) Windows付属の「転送ウィザード」を使う。
 という方法でも、Cドライブ全体を指定すれば、Cドライブ全体をバックアップできるようだ。
 (1)は圧縮されないので、ファイルサイズが大きくなる。事後的に、圧縮およびファイル分割が必要となるかも。(DVD-ROMを使うのでなければ。)
 (2)は圧縮率がかなり高い。
 なお、いずれの場合も、リカバリーソフトでいったん初期化したあとで、復活させることになる。一発でやるわけではなくて、二度手間だ。バックアップを取るときも、二度手間みたいになる。……とはいえ、わざわざソフトを買いに行けば、それはそれで一度の無駄手間とお金がかかる。
 どうするかは、お好みでどうぞ。
( ※ 私の場合? お金も手間もないので、必要なファイルだけのバックアップに留めます。確率的に、3年後の買い換えまでにシステム壊れる可能性は5%以下と見て、必要なファイルだけのバックアップに留めます。内容は、文書ファイルとシステムファイル。ソフトなどは、万一の場合は「再インストール」という処方。ただし現実には、HDDが電子的にこわれても、「HDD交換をして、旧HDDのデータを新HDDにコピー」という処方で済む場合が多いはず。)
( ※ HDDが物理的に壊れる自体は想定していません。地震対策? それはまあ、文書ファイルの CD-ROM 保存で何とかなるんじゃないでしょうか。それでも地震が心配? 地震のときは、パソコンのデータなんかより、自分自身の命の方が心配です。下手をすると、「パソコンのデータを守ろうとして、命を犠牲にした」なんて。……  (^^); )



  【 追記 】
 まったく別のバックアップ方法もある。データだけでなくて、パソコンというマシンそのものをバックアップする。つまり、パソコンをもう一台、予備用として用意しておく。で、そのHDDに、古いデータも入れておく。
 更新の頻度は、お好みで。ちょいちょい更新してもいいし、最初にいっぺんだけでもいい。後者の場合は、データのバックアップは別にやる。
 もう一台のパソコンとは? 通常は、自分の古いパソコン。なければ、インターネットのオークション・サイトで買えばよい。液晶つきの数年前のパソコンでも、1万円程度。モニタなしなら、数千円で、よりどりみどり。……こうやって、完動するマシンを用意しておけば、LAN接続するだけで、データの移動は簡単にできる。
 これは割とお勧め。(ちょっと場所は取りますけどね。ま、押し入れの古本や古着などを除く必要があるでしょう。)



 【 参考情報 】

 (1) パソコン廃棄のときの話。データ復旧やデータ保護の話。

   → 小泉の波立ち 8月07日

 (2) バックアップの話は、パソコン雑誌でもしばしば取り上げられるので、そちらも読むといいだろう。安価な単行本やムックもあるようだ。
 だけど、私のこのページに書いてあることより役立つ情報がある、とは保証しませんけどね。たいていは、初心者向けの初歩情報にすぎないようだ。あるいは、自作マニア向けの、ハードのいじくり方とか。雑誌って、ピンボケの記事が多いんですよね。なお、私のこのページだと、無料です。





システムのバックアップについて

 すでに述べたのは、自作データのバックアップの話だった。それ以外に、「システムのバックアップ」も考えられる。つまり、「Windows が起動しない」というのを回避するための方法だ。

 システムに異常が起こるというのは、次の二通りがある。
 第1に、Safe モードで、何とか起動する場合。この場合は、前述の SystemState というバックアップ項目を使って、システムファイルを回復すればよい。つまり、現状の異常ファイルを捨てて、予備の正常ファイルによって元に戻す。
 第2に、Safe モードですら起動しない、という場合。この場合は、通常、次のようなメッセージが出る。

    Windows を起動できません。             
    \windows\system32\hal.dll  というファイルが  
    存在しないか破壊されています。          


 こんな表示が出たら、普通の人は、パニックしまくりだ。そのあとで、考えて、リカバリーディスクを使って、回復する。その場合、既存のデータが全部消えてしまう。
( ※ リカバリーディスクでなくて、Windows の再インストールならば、既存データは消えない。ただし、これもけっこう、大がかりだ。回復コンソールを使うと、比較的マシだ。)

 では、どうするべきか? 
 パソコン雑誌などを見ると、「パソコンの全データをバックアップすればいい」なんて書いてあるが、大げさすぎる。だいたい、専用ソフトを買うだけでも、大変だ。
( ※ WindowsXP よりも前の Windows ならば、ファイルをコピーするだけでバックアップができたが、WindowsXP ではそうは行かない。専用ソフトが必要となる。)

 では、正しくは? 
 上のメッセージからわかるように、たいていは、システムフォルダ( system32 )のなかの特定の dll ファイルが壊れただけである。だから、これらの dll ファイルをインストールすれば、それで済む。では、どうやって? これらの dll ファイルを、あらかじめバックアップしておけばよい。具体的には、次の通り。
 以上のようにして、バックアップを用意しておく。(分量は 340MB )
 その後、Windows が起動しなくなったら、破損したファイルを、元に戻す。
 その方法は? 何通りかある。
  1.  FDDの起動ディスクを使うこと。…… 具体的には、Windows98 などで作った起動ディスクで、MS-DOS モードで起動する。その後、コピーする。systembk から system32 へ。
  2.  他のOSを、CD-ROM 起動から使う。…… 具体的には、KNOPPIX という名前の Linux がある。Linux の雑誌に付録になっていることがある。1500円ぐらいの雑誌。(品切れのこともある。) ま、CD-ROM 起動でなくとも、とにかく Linux をインストールすれば、何とかなりそうだ。(ただし、Windows というシステムで書かれたファイルを、Linux でコピーすることができるかどうかは、ちょっと不明だ。)
  3.  HDDを抜き出して、ファイルをコピーする。…… 具体的には、いったんCドライブのHDDを抜き出して、別HDDをCドライブとして挿入してから、その別HDDにおいて、 Windows を新たにインストールする。つまり、マシンを別HDDで初期化する。その後、先の抜き出したHDD(元はCドライブ)の破損ファイルを回復する。こうして、HDDを正常にしてから、そのHDDを元に戻す。(一時的に挿入した別ドライブを、ふたたび切り離す。)……この方法は、どうも面倒ですね。古いHDDさえあれば、お金はかからないが。
 いずれにしても、けっこう、面倒に思える。しかし、本当は面倒ではない。なぜなら、これは、「壊れたあとの処置」だからだ。壊れるまでは、ほとんど何もしないでよい。壊れたあとは、セーフモードで起動するとか、回復コンソールを使うとか、Windows を再インストールするとか、HDDを換装するとか、KNOPPIX を使うとか、その程度のことで済む。
 とにかく、肝心なのは、次のことだ。

     system32 のバックアップを作成すること。 !!

 これさえやっておけば、いざというとき、あわてないで済む。簡単だから、これだけやっておこう。

( ※ なお、手間と暇と金が余っている人は、全ドライブのデータを丸ごとバックアップするといいだろう。雑誌などでは、そういう方法が紹介されている。)


[ END. ]